忘れたようでも、脳には記憶の痕跡…マウス実験で判明

アルツハイマー脳.jpg

アルツハイマー病の記憶喪失の解明に役立つ可能性!?

日本では100万人にものぼると推測される「アルツハイマー型認知症」であるが、今は65歳以上の10人に一人の割合で存在されるとされている。そして、今後も高齢化社会の進展と共に、増加の一途をたどることが十分推測される。

そんな中、理化学研究所脳科学総合研究センターの利根川進センター長らの研究チームが遺伝子操作技術を利用して掲題の事例を発表した、という。

要約すると、

特定の飼育箱に遺伝子操作したマウスに不快な電気刺激を与える。
これらのマウスは脳細胞の活性化した場所を記録できるようにしてある。

そののち、一部のマウスに記憶が不十分になる薬を注射する。

そして、24時間後に元の飼育箱に戻す。

このようにして忘れさせた体験をもつマウスは、
飼育箱に戻しても平然としている。

 ここで、記憶しているマウスは、おびえる<との記述は無いが、暗 黙知とする。

ところが、忘れたはずのマウスのかつて活性化した脳の特定部分に
刺激を与えると、マウスが記憶をよみがえらせておびえる様子が見えた、というものだ。

その昔、40年ほど前か、記憶は物質である、という当時の新聞のニュースを拝見したことがあるが、当時に比べて、格段に進歩している生物学会である。遺伝子のゲノムの解析なども終わり、さらに奥深い生命の不思議な領域に踏み入っている。我々が生きているうちに、どこまで解明が進むのだろう。解明が進めば進むほど、さらに不明点も増えることになりそうで、興味深い。


出典 読売新聞 平成27年5月29日(金)8時29分配信分